ここでは、JRA-VANから発売されたDATA CD-ROM 1986-1999を使って完全な馬王データベースを作成する手順を説明します。
JRA-VAN DATA CD-ROMを使って完全データベースを作成するためには、馬王2.51以降が必要です。
馬王2.51.01以前の馬王をお使いの場合は、馬王最新版にアップデートしてください。
1986年からの完全データベースは、構築が完了すると500メガバイトに近い巨大なサイズになり、さらに作業用ディスクスペースも含めると600メガバイトほどの空き容量が必要です。
あらかじめ、ハードディスクにそれだけの空き容量があるか確認してから作業をおこなってください。
A. 新規データベースで完全データベースを構築したい場合
まず、現在使用している馬王データベースがBao25.mdbであれば、ウインドウズのエクスプローラを使って別の名前に変更します。たとえばBao25now.mdbのように変更してください。
これは、新しいデータベースによって現在使用中のデータベースを誤って上書きしてしまわないようにするための用心です。
新規のデータベースは、CD-ROM版の馬王をお使いの場合はCD-ROMの\DefDataフォルダのなかにありますので、それを馬王フォルダにコピーしてください。
なお、CD-ROMからコピーしたファイルはすべて「読み取り専用」となっていて、このままではデータベースの更新ができませんので、エクスプローラでコピーした新データベースを右クリックしてプロパティ画面を表示させて、「読み取り専用」のチェックをはずしてください。
また、オンライン版の馬王2.51の場合は、馬王をセットアップしたフォルダ中のDefDataというフォルダの中にありますので、それを馬王フォルダにコピーしてください。
B. いままで使用中のデータベースに過去データを追加構築したい場合
そのままでかまいませんが、念のため現在使用中のデータベースを別のフォルダにコピーしてバックアップを取っておいてください。
馬王を起動してください。
まず、ファイルメンテナンス設定ウインドウを開き、予想再計算タブの「種牡馬データ差し替え」ボタンを押して、「種牡馬成績T1986」に差し替えてください。
これは現状の種牡馬成績Tをバックアップするためです。
次にファイルメンテナンス設定ウインドウを閉じ、その他(O)-データベース操作(Q)で、データベース操作ウインドウを開いて、次の命令文をSQL欄に入力し、実行ボタンを押します。
DELETE * FROM 種牡馬成績T
これで種牡馬成績データは完全に白紙の状態となります。
ファイルメンテナンス設定ウインドウを開き、予想再計算タブを選択し、「詳細オプション...」ボタンを押して「再計算詳細オプション」ウインドウを開きます。
「未処理JRA-VANデータをデータベースに取り込んだあと、つづけて予想計算をしない」というチェックをONにします。こうしておけば、予想計算はあとでまとめて行うのでJRA-VANデータを取り込んだ順序が問題になることはありません。
JRA-VANデータCD-ROMをCD-ROMドライブにセットしたら、ファイルメンテナンス設定のダウンロードの設定タブの「データフォルダ」を次のように設定してください。
E:\DATA\KISYU\ (騎手データ)
なおここではCD-ROMドライブを仮にE:ドライブとして説明しますので、使用しているCD-ROMドライブにあわせて読み替えてください。
設定が完了したら、ファイルメンテナンス設定ウインドウを閉じ、「未処理JRA-VANデータ更新」を実行します。
CD-ROMのデータが直接読み込まれて、騎手データが更新されるはずです。
同じように、馬王の「データフォルダ」の設定を以下の4フォルダに順番に変えて、それぞれ「未処理JRA-VANデータ更新」を実行し、データを取り込んでください。
E:\DATA\CYOKYOSI\ (調教師データ)
E:\DATA\KYOUSOBA\ (競走馬データ)
E:\DATA\SEISEKI\ (成績データ)
E:\DATA\HYOSU\ (票数データ)
このうち、競走馬データ、成績データ、票数データの取り込みには、数時間を要することがありますのでご注意ください。
なお、CD-ROMのNITIBETUフォルダの競走馬+出馬表データと、RACEフォルダの出馬表データは取り込む必要はありません。出馬表に存在する情報は、新仕様ではすべて成績データに含まれていますし、出馬表データを取り込んだ場合、かえって問題が発生します。(開催中止になったレースが出馬表データに誤って収録されている部分があります)
騎手および調教師のランキング順位を、過去のレースのその時点のランキング順位に計算しなおします。
このためには「馬王」を一度終了して、こちらで提供するTJRNKUPD.EXEというユーティリティプログラムを実行する必要があります。次のリンクをクリックして、馬王フォルダにダウンロードしてください。
騎手・調教師ランキング更新ツール(TJRNKUPD.EXE
ver1.1 非圧縮)
なお、旧版のTJRNKUPD.EXEですと、1986年9月以前のデータが更新対象にならずエラーが発生しますので、必ずこちらのバージョンを使ってください。
TJRNKUPD.EXEを起動し、「データベース名」には新しいデータベースのフルパス名(参照ボタン「...」を使ってください)と、更新期間「86/1/1〜現在の日付」を入力します。
「実行」ボタンを押すと、ランキングの再計算が始まります。マシン性能にもよりますが、この作業にも1時間くらい要するかもしれません。
馬王を再び起動し、ファイルメンテナンス設定を開き、予想再計算タブを選択し、「詳細オプション...」ボタンを押して「再計算詳細オプション」ウインドウを開きます。
ここで、「デフォルト指数を優先せずにタイム指数を再計算する」と「すでに計算済みの血統評価も再計算する」のチェックをONにしてください。
「再計算詳細オプション」ウインドウを閉じて、「再予想期間」を「86/1/1〜現在の日付」に設定して「再計算実行(R)」ボタンを押します。
これで、とりこんだデータに対して予想計算作業がはじまります。
なお、独自のユーザー定義キーワードや得点計算式を設定したい場合には、この段階で設定をしてください。
この作業は、もっとも時間のかかる作業で、こちらでCeleron366MHzのマシンで実行したところ、およそ10時間を要しました。これが所要時間の目安になるかと思います。
なお、この作業は、計算期間の順序が前後しなければ、「86/1/1〜86/12/31」、「87/1/1〜88/12/31」、「89/1/1〜99/12/31」のように分割して実行しても大丈夫です。
また、現在のデータベースにJRA-VAN DATA CD-ROMの過去データを追加構築されている場合は、「86/1/1〜いままでの最も古い日付」の期間だけ再計算させることによって、現在の予想内容に影響をおよぼさないようにもできます。その場合、全作業終了後に「ファイルメンテナンス設定」の「種牡馬成績データ差し替え」ボタンを押して、「種牡馬成績Tバックアップ」に差し替えて、現状の種牡馬成績データに戻しておいてください。(種牡馬成績TバックアップはSTEP
4でバックアップしておいた現状の種牡馬成績データです)
ここまでですべての作業は完了です。お疲れ様でした(^^;
1986年からの全データによって予想計算されたデータベースでは、予想タイム指数や推奨馬券がこれまで使用してきたデータベースと微妙に異なります。
これは、馬王の従来のデフォルトタイム指数データが1986年10月4日以降のデータをもとにつくられているためで、1986年1月5日からのデータの蓄積によって計算結果が変わるからです。
従来は入手可能なもっとも古いデータが1986年10月4日以降のデータでしたが、今回のJRA-VAN
DATA
CD-ROMによって初めてそれよりも前のデータから計算することが可能になりました。
そこで、ユーザーも完全なタイム指数をゼロから計算できるようになったのを機会に、馬王のデフォルト指数を、新しい完全データベースによって計算された指数に改訂いたします。
ただしタイム指数全体の性能、性質は以前のものとほとんど差異はありません。